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ローンガイド

変動金利 vs 固定金利、2024年以降の選び方

BayMap編集部10分で読める

日銀の利上げ後、変動金利と固定金利のどちらを選ぶべきか。金利推移・総返済額シミュレーション・リスク許容度から判断する方法を解説します。

住宅ローンを検討するとき、最初に直面する選択が金利タイプです。2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除し、その後段階的に利上げを進めたことで、住宅ローンの金利環境は大きく変わりました。「変動金利が圧倒的に有利」という前提は揺らぎ始めており、改めて変動と固定の仕組みを整理したうえで、自分の状況に合った選び方を考える必要があります。

日銀の金融政策転換で何が変わったか

2013年以降の大規模金融緩和で、日本の住宅ローン金利は歴史的な低水準が長く続きました。2016年にはマイナス金利政策が導入され、変動金利は0.3%台にまで低下。住宅金融支援機構の住宅ローン利用者調査でも変動金利の選択割合が7割を超える状況が常態化していました。

転機となったのは2024年3月のマイナス金利解除です。日銀が短期金利の誘導目標を引き上げ、その後も段階的な利上げを進めたことで、長年続いた「ゼロ金利の時代」は終わりを迎えています。

この政策転換は住宅ローン金利に直接波及しています。変動金利の基準となる短期プライムレートは上昇し、各金融機関の変動金利も引き上げが進みました。固定金利の基準となる長期金利(10年国債利回り)も上昇しており、フラット35の金利は2%台半ばに達しています。

住宅金融支援機構が2026年1月に公表した住宅ローン利用者調査によると、変動金利の選択割合は依然として過半数を占めているものの、固定金利を選ぶ人の割合には増加傾向が見られます。利上げ局面を受けて、借り手の選択行動が変わり始めているといえます。

出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査」(2026年1月公表)

変動金利の仕組みとリスク(5年ルール・125%ルール)

短期プライムレートとの連動

変動金利は、各金融機関が設定する短期プライムレートに連動して半年ごとに見直されます。短期プライムレートは日銀の政策金利に強く影響を受けるため、日銀が利上げを行えば変動金利も上昇する構造です。

2026年4月時点の実勢金利は、ネット銀行(住信SBIネット銀行・auじぶん銀行など)で0.7〜1.0%前後、大手銀行(三菱UFJ・みずほなど)で0.95〜1.3%程度となっています。かつての0.3%台という超低金利からは明確に水準が切り上がっており、今後の日銀の政策判断次第ではさらなる上昇も想定されます。最新の適用金利は必ず各金融機関の公式サイトで確認してください。

5年ルール

変動金利には、急激な返済額の増加から借り手を保護する仕組みが設けられています。

5年ルールとは、金利の見直しが半年ごとに行われても、実際の返済額は5年間据え置かれる仕組みです。金利が上がった場合には、月々の返済額のうち元本と利息の配分が変わり、利息の割合が高くなります。返済額自体は変わらないため家計への即時的な影響はありませんが、元本の減りが遅くなる点には注意が必要です。

125%ルール

5年ごとの返済額見直し時には、改定後の返済額が改定前の125%を超えないよう制限されます。仮に金利が急騰した場合でも、月々の返済額は直前の1.25倍までにとどまります。

ただし、これらのルールは返済額の変動を緩やかにするための緩衝装置にすぎません。金利上昇による総返済額の増加そのものを防ぐ仕組みではなく、金利が大幅に上がった場合は返済額に占める利息割合が高まり、元本がほとんど減らない「未払利息」が発生するリスクがあります。加えて、ネット銀行の一部商品ではこれらのルールが適用されないケースもあるため、契約前の確認が不可欠です。

5年ルール・125%ルールは返済額の急変を防ぐ仕組みであり、金利上昇による総返済額の増加を防ぐものではありません。適用されない商品も存在するため、契約前に確認してください。

固定金利の仕組みとフラット35の現状

長期金利との連動

固定金利型の住宅ローンは、長期金利(10年国債利回り)を基準に金利が決まります。変動金利とは連動する指標が異なり、短期金利が据え置かれていても長期金利が上昇すれば固定金利は上がります。実際に日銀の利上げ開始前から長期金利には上昇圧力がかかっており、固定金利は変動金利に先行する形で水準が切り上がってきました。

固定金利の最大の利点は、借入時に返済期間を通じた金利が確定する点です。将来の金利動向に左右されないため、返済額が変わるリスクを完全に排除できます。一方で、借入時点の金利は変動金利より高くなるため、金利がさほど上がらなかった場合には「余分なコストを払った」結果になります。

フラット35の位置づけ

フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する全期間固定型の住宅ローンです。2026年4月時点の最多金利は年2.49%(融資期間21年以上35年以下)です。

フラット35には固定金利であること以外にもいくつかの特徴があります。団体信用生命保険(団信)の加入が任意であるため、健康上の理由で民間の団信に加入できない方にとっては有力な選択肢になります。また、勤続年数や雇用形態の審査が民間銀行より柔軟な傾向にあり、自営業者や転職直後の方でも利用しやすい面があります。

出典:住宅金融支援機構「フラット35」最頻金利(2026年4月、融資期間21〜35年)

総返済額シミュレーション

借入額4,000万円、返済期間35年、元利均等返済・ボーナス払いなしの条件で、変動金利0.7%と固定金利2.49%を比較します。

項目変動金利 0.7%固定金利 2.49%
月々の返済額約101,000円約143,000円
年間返済額約121万円約172万円
35年間の総返済額約4,242万円約6,006万円
うち利息総額約242万円約2,006万円

総返済額の差は約1,760万円。月々で見ると約42,000円、年間で約50万円の開きがあります。

出典:住宅金融支援機構 返済シミュレーションをもとにBayMap試算(元利均等・ボーナス払いなし)

ただし、この試算は変動金利が35年間0.7%のまま推移した場合の数字です。変動金利が上昇すれば差は縮小し、仮に途中で2%台に達すれば固定との差はほとんどなくなります。1,760万円という差額は「金利が変わらなかった場合の理論上の最大値」であり、この数字だけを根拠に変動金利を選ぶのはリスクの過小評価につながりかねません。

金利上昇シナリオ別の比較

変動金利が段階的に上昇した場合の総返済額を試算します。

シナリオ月々返済額(当初 / 最大)35年間の総返済額
変動0.7%で固定101,000円約4,242万円
5年後に1.5%、10年後に2.0%へ上昇101,000円 / 約120,000円約4,900万円
固定2.49%143,000円約6,006万円

金利上昇シナリオでも固定との差は約1,100万円残りますが、変動金利が3%を超えるような局面に達した場合は逆転する可能性があります。将来の金利がどこまで上がるかは誰にも断言できないため、総返済額の比較はあくまで参考情報として捉えてください。

返済額を詳しく試算する

月々の返済額、総利息、金利差の比較は、住宅ローンシミュレーター本体で確認できます。

住宅ローンシミュレーターを見る

どちらを選ぶかの判断基準

金利タイプの選択は「どちらが得か」ではなく「自分のリスク許容度に合っているか」で判断するべきです。将来の金利を正確に予測することは不可能であり、損得の比較は事後的にしか確定しません。

変動金利が合う場合

返済期間が短い、あるいは繰り上げ返済で早期完済を目指す方は、金利上昇の影響を受ける期間が限られるため、変動金利のメリットを享受しやすいといえます。手元に十分な貯蓄があり、金利が1〜2%上昇しても家計が破綻しない余力がある場合も同様です。

共働きで世帯収入に余裕があり、一時的な返済増加にも耐えられるのであれば、変動金利の低い返済額を活かしながら差額を貯蓄や投資に回す戦略も合理的でしょう。

固定金利が合う場合

返済期間が長く繰り上げ返済の予定がない方、あるいは家計に余裕が少なく月々の返済額が変動すること自体がストレスになる方には、固定金利が適しています。返済額を確定させることで得られる安心感は、金利差では計れない価値があります。

片働きで収入源が限られる場合や、子どもの教育費など大きな出費が今後控えている場合にも、固定金利で家計の見通しを立てやすくしておくことが有効です。

ミックス型という折衷案

借入額の一部を変動、残りを固定にする「ミックス型」も選択肢に含まれます。たとえば4,000万円のうち2,000万円を変動、残り2,000万円を固定にすれば、変動金利の低さを一部享受しつつ、固定部分でリスクを分散できます。どちらか一方に振り切ることに不安を感じる場合は、検討に値する方法です。

千葉で住宅ローンを組む場合の考慮点

千葉県内で住宅を購入する場合、物件価格帯がローン選択に影響を及ぼします。船橋・市川・浦安など東京寄りのエリアでは中古マンションでも3,000〜5,000万円台が中心ですが、松戸・柏・千葉市方面に目を向ければ2,000〜3,000万円台で選択肢が広がります。

物件価格が低ければ借入額も抑えられ、金利上昇の影響額も小さくなります。2,500万円の借入で変動金利が1%上昇した場合の月々返済増加は約12,000円程度。一方、4,000万円の借入で同じ上昇があった場合には約19,000円増となり、家計への圧迫度合いは大きく異なります。

千葉県は東京へのアクセスの良さに対して物件価格が抑えられるエリアが多く、「借入額を抑えて変動金利のリスクを軽減する」という戦略が取りやすい地域です。金利タイプの選択と同時に「どのエリア・価格帯なら金利変動リスクに耐えられるか」という視点で物件を選ぶと、無理のない資金計画を立てやすくなります。

住宅ローン試算

月々の返済額を試算する

借入額・金利・返済期間を入力するだけで月々の返済額と総利息を試算できます。

ローンを試算する

BayMapで物件価格を確認する

金利タイプの選択は、借入額が定まらなければ具体的な比較ができません。BayMapの駅一覧で候補エリアの中古マンション相場を確認し、検討中の広さを掛け合わせて物件価格の目安を算出してください。

物件価格が見えれば、変動と固定それぞれの返済シナリオを数字で比較できます。「変動で借りた場合に金利が1%上がったらいくらになるか」「固定の返済額は手取りの何%か」を具体的に試算することが、後悔のない判断につながります。

住宅ローンの基本的な仕組みについては住宅ローンの基本、ペアローンや収入合算の詳細はペアローン・連帯債務のガイドも合わせて参考にしてください。フラット35(全期間固定)の仕組みと子育てプラス優遇の詳細はフラット35完全ガイドで解説しています。

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出典: 国土交通省 不動産取引価格情報 / BayMap独自集計。本記事は情報提供を目的としており、投資・購入判断の根拠とはなりません。