千葉県内54市区町村の人口動態を、住民基本台帳(2025年1月1日時点・最新)のデータをもとに集計した。県全体の総人口は約627万人で、2020年国勢調査時点からわずかに減少傾向へと転じているが、エリアによる格差は拡大し続けている。
- 流山市は日本有数の人口増加率を維持。2025年も県内トップ
- 印西市・松戸市・市原市も増加傾向が継続
- 銚子市・鴨川市・勝浦市など南部・外房で人口減少が加速
- 人口増加エリアでは地価・マンション需要も連動して上昇
2025年 千葉県 人口増加率ランキング(市区町村別)
以下の表は、住民基本台帳をもとにBayMapが集計した2024→2025年の1年間の増減率。
| 順位 | 市区町村 | 2025年人口 | 増減率 | 増加人数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 流山市 | 約21.6万人 | +1.8% | +約3,900人 |
| 2 | 印西市 | 約10.9万人 | +1.5% | +約1,600人 |
| 3 | 白井市 | 約6.4万人 | +0.6% | +約380人 |
| 4 | 松戸市 | 約50.0万人 | +0.5% | +約2,500人 |
| 5 | 習志野市 | 約17.9万人 | +0.4% | +約720人 |
| 6 | 船橋市 | 約64.4万人 | +0.3% | +約1,930人 |
| 7 | 市原市 | 約26.4万人 | +0.2% | +約530人 |
| 8 | 千葉市 | 約98.1万人 | +0.1% | +約980人 |
| — | 市川市 | 約49.8万人 | ±0.0% | ほぼ横ばい |
| — | 柏市 | 約42.9万人 | −0.2% | −約860人 |
| — | 茂原市 | 約8.8万人 | −0.7% | −約620人 |
| — | 銚子市 | 約5.5万人 | −1.8% | −約990人 |
| — | 鴨川市 | 約3.2万人 | −1.5% | −約480人 |
| — | 勝浦市 | 約1.8万人 | −2.1% | −約380人 |
※数値はBayMapが住民基本台帳データをもとに集計した推計値。最新の確定値は各市区町村公式サイトで確認のこと。
1位・流山市:子育て施策が牽引する人口増
流山市は2012年以降、ほぼ毎年千葉県内トップの人口増加率を維持してきた。つくばエクスプレス(TX)沿線3駅(流山おおたかの森・流山セントラルパーク・柏たなか)周辺に大規模住宅開発が続き、東京・秋葉原まで最速30〜38分の利便性が子育て世代に支持されている。
市が推進する「保育所送迎バス」や産後ケア施策は全国から視察が来るほど注目度が高く、「子育てしやすい街」としてのブランドが認知され、流入が流入を呼ぶ好循環が生まれている。
地価上昇との連動も顕著で、流山おおたかの森周辺の新築マンション価格は2018年比で60〜70%上昇している地点もある。購入を検討する場合、今後の供給量と需要の持続性を慎重に見極める必要がある。
2位・印西市:データセンター集積が下支え
印西市は千葉ニュータウン中央駅周辺を中心に国内最大規模のデータセンタークラスターが形成されており、IT関連企業の移転や関連人材の転入が人口増を支えている。成田空港へのアクセスが比較的良いことから、外国人技術者の居住も見受けられる。
地価水準はまだ流山・松戸・船橋に比べ低く、成長余地があると評価する投資家・実需者が増えている。ただし、既存の千葉ニュータウン地区は高齢化が進んでおり、エリア内の新旧格差が広がっている点は留意が必要だ。
人口減少エリアの注意点
銚子市・勝浦市:構造的な縮退が続く
銚子市(−1.8%)は漁業・水産加工業の縮小と高齢化が重なり、人口減少が止まらない。2010年時点で約7万人だった人口が、2025年には5.5万人台まで落ち込んでいる。地価も3年連続下落(千葉県地価ランキング参照)しており、資産価値の維持が難しい構造に入っている。
勝浦市(−2.1%)・鴨川市(−1.5%)も同様の縮退サイクルにある。コロナ禍のテレワーク移住で一時的に持ち直したが、その効果は2022〜2023年に剥落しており、再び減少トレンドへ戻っている。
柏市:初めてのマイナス転落
柏市は2025年に初めてわずかに人口がマイナスに転じた(−0.2%)。TXを共有する流山市・松戸市に若い世代が流れている構図で、商業中心である柏駅周辺は集客力は維持しているが住宅地としての魅力が相対的に低下している。
人口動態と不動産価格の関係
人口が増加しているエリアでは中長期的に住宅需要が下支えされ、地価・マンション価格の大きな下落が起こりにくい傾向がある。一方、人口減少エリアでは需要減少→空き家増加→価格下落というサイクルに入るリスクがある。
| 人口動向 | 不動産への影響 | 代表エリア |
|---|---|---|
| 増加(+1%以上) | 需要旺盛、価格上昇圧力 | 流山市、印西市 |
| 微増(0〜+1%) | 実需安定、大幅下落しにくい | 船橋市、習志野市 |
| 横ばい(±0.5%以内) | 市場安定だが選別が進む | 市川市、千葉市 |
| 減少(−1%以上) | 空き家増加、価格下落リスク | 銚子市、勝浦市 |
不動産購入の際は現在の価格水準だけでなく、10〜20年後の人口見通しを確認することが重要だ。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)は市区町村別の将来推計人口を公表しており、長期視点での参考となる。
出典・参照
- 総務省「住民基本台帳に基づく人口・人口動態及び世帯数調査」(2025年1月1日現在)
- 国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」(2023年推計)
- BayMapによる市区町村別集計・加工
本記事の数値はBayMapが公開データをもとに集計した推計値です。確定値は各市区町村公式サイトおよび総務省統計局でご確認ください。不動産購入・売却の判断はご自身の責任においてお行いください。