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データ解説

千葉県の経済力を数字で読む|GRP 22兆円・農業全国4位・成田空港の実力

千葉県のGRP(県内総生産)は約22兆円で全国6位。農業産出額4,029億円、成田空港の貨物取扱量は年間200万トン超。公的統計から千葉県経済の全体像をデータで可視化します。

出典: 国土交通省公開データ / BayMap分析

「千葉=東京のベッドタウン」。このイメージは一面的すぎる。

千葉県は農業産出額で全国4位、航空貨物の取扱量は国内空港で最大。京葉工業地帯の製造品出荷額は12兆円規模にのぼる。東京に通勤する人が多いのは事実だが、県内就業者の約8割は千葉県内で働いている。

この記事では、公的統計をもとに千葉県の経済力を可視化する。

※数値は各出典の最新公表値に基づきます。端数処理により合計が一致しない場合があります。

千葉県経済の規模感

0千億

県内総生産(千億円)

0

農業産出額(億円)

0万t

空港貨物量(万トン/年)

0

世帯年収(万円)

県内総生産(GRP)の推移

千葉県のGRP(名目)は2023年度で約22兆1,749億円。東京・大阪・愛知・神奈川・埼玉に次ぐ全国6位。12年間で約3兆円(+16%)増えた。

2020年のコロナ禍で一時減少したものの、2022年から回復基調に戻っている。全国的に見れば安定成長型の経済圏だ。

出典: 千葉県 県民経済計算

産業別の内訳

2023年度の構成で目立つのは、サービス業と不動産業の比重の大きさだ。

  • 不動産業は県内GRPの約12%を占め、全国平均より高い。首都圏通勤者の住宅需要が県経済に直結している
  • 製造業は約2.4兆円。京葉工業地帯が中心
  • 農林水産業はGRP比1%未満だが、産出額ベースでは全国上位

つまり千葉県は、住宅市場の好不調がダイレクトに県経済に効くタイプの経済圏でもある。

農業産出額は全国4位

首都圏最大の農業県。産出額は4,029億円で、北海道・鹿児島・茨城に次ぐ。参考までに、隣県の埼玉は1,636億円。千葉はその約2.5倍。

米・畜産・野菜がバランスよく並ぶ。落花生やなしは全国1位の生産量。

農地と住宅地が混在するエリア(松戸北部・柏・船橋の北部など)では、農地転用と宅地化が同時に進んでおり、不動産市場に直接的な影響を与えている。

出典: 千葉県 農業の概要

京葉工業地帯 ── 製造品出荷額は12兆円規模

東京湾岸に広がる京葉工業地帯。石油化学・鉄鋼・製紙・食品加工が主力で、市原市・千葉市中央区・君津市・袖ケ浦市に大規模プラントが集中する。

製造品出荷額は約12兆円で、愛知・神奈川・静岡・大阪・兵庫と並ぶ全国上位グループ。

工業地と住宅地が近いことは、雇用面ではプラスに働く。一方、環境面の懸念から地価が抑えられるエリアもある。五井・姉ケ崎・袖ケ浦周辺は「工業雇用の恩恵があるのに住宅価格は割安」という二面性を持つ。住宅購入者にとっては検討の余地がある地域だ。

出典: 千葉県 工業統計経済産業省 経済構造実態調査

成田空港の貨物取扱量は年間200万トン超

成田国際空港は国内最大の航空貨物拠点。千葉県経済の独自性を形作る存在だ。

2021年のコロナ特需(航空便集中)後に減少した時期もあるが、2024年から回復トレンドに入った。

空港周辺(成田市・富里市・山武市・印西市)では物流倉庫・データセンター・ホテルが急増中。特に印西市は国内最大級のデータセンター集積地で、人口増加率でも県内トップクラスに位置する。空港関連の間接雇用を含めると、数万人規模の経済圏が形成されている。

出典: 東京税関 成田空港・羽田空港貨物取扱量推移

世帯年収は全国平均より8%高い

2019年全国家計構造調査によると、千葉県の1世帯あたり年間収入は約595万円。全国平均の約552万円を上回り、首都圏では東京・神奈川に次ぐ。

ただし県内の格差は大きい。北西部(船橋・市川・浦安・柏)と南部(館山・鴨川・勝浦)では世帯所得に2倍近い開きがある。

住宅市場から見ると、世帯年収595万円は住宅ローン借入上限が約4,000万円前後(年収の6〜7倍)。千葉県内の中古マンション中央値が2,000〜3,000万円台であることを考えれば、多くの世帯にとって購買力に余裕がある水準だ。

出典: 総務省 全国家計構造調査(2019年)

就業者の8割は県内で働いている

千葉県の人口は約629万人(2020年国勢調査)で全国6位。就業者は約300万人で、千葉市だけで約42万人を擁する。

注目すべきは通勤構造だ。県外(主に東京)への通勤者は約70万人で、就業者の約2割にあたる。裏を返せば、約8割は千葉県内で生活も仕事も完結している。

千葉市の就業者を産業別に見ると、第3次産業(サービス・小売・不動産等)が圧倒的に多い。第1次産業は全体の1%未満だが、県全体では重要なセクター。第2次産業は京葉工業地帯沿いに集中している。

出典: 千葉市 国勢調査 移動・就業等集計

経済データと不動産市場のつながり

千葉県内の不動産市場は、これらの経済指標と連動している。

  • GRP成長エリア(幕張・柏・船橋) ── 地価上昇が顕著
  • 農地転用エリア(松戸北部・印西・白井) ── 新規宅地供給が増加中
  • 工業地隣接エリア(市原・君津) ── 雇用は安定するが地価は割安
  • 空港圏(成田・富里・印西) ── 物流施設需要と人口増が地価を押し上げ
  • 高所得エリア(浦安・市川・船橋南部) ── 中古マンション需要が底堅い

住宅の売買を判断するとき、「このエリアの経済基盤は何か」を知っておくことは、将来の資産価値を見通す上で有効な視点になる。

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千葉県経済データ分析

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