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マンション売却 vs 賃貸、千葉で正しい判断を下す方法

BayMap編集部11分で読める

転勤・住み替えで空くマンション。売るべきか貸すべきか。利回り計算、空き家リスク、税制の違い、千葉県のエリア別賃貸需要をデータで比較し、判断基準を整理。

転勤、住み替え、相続。マンションが空く理由はさまざまですが、「売るか、貸すか」は避けて通れない判断です。どちらが有利かは、物件の条件、立地、あなたの資金状況、そして将来の計画によって変わります。このガイドでは、千葉県のデータをもとに判断基準を整理します。

売却と賃貸、比較の前提

まず、売却と賃貸は性質が根本的に異なる選択肢であることを理解する必要があります。

項目売却賃貸
収入形態一括(売却代金)継続(月額賃料)
管理負担売却後はゼロ入居者対応・修繕が継続
空室リスクなしあり(収入ゼロの期間が発生)
資産の流動性現金化される不動産のまま保有
税制優遇3,000万円特別控除が使える不動産所得として課税
ローン完済が条件賃貸用ローンへの借換が必要な場合あり

住宅ローンが残っている状態での賃貸転用は、金融機関の承諾が必要です。無断で賃貸に出すと契約違反になる可能性があるため、必ず事前に確認してください。

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賃貸の収益性を計算する

「貸せば家賃収入が入る」というのは事実ですが、手取りベースで見ると想像より少ないケースが多いです。以下は千葉県の一般的なファミリー向けマンション(70㎡・築15年)を想定した試算例です。

項目月額年額
想定賃料12万円144万円
管理費・修繕積立金▲2.5万円▲30万円
管理委託費(賃料の5%)▲0.6万円▲7.2万円
固定資産税・都市計画税▲12万円
火災保険料▲2万円
年間手取り約92.8万円

年間手取りを物件の売却想定額で割ると「実質利回り」が出ます。売却想定額が2,500万円の場合、実質利回りは約3.7%です。

利回りの目安

実質利回り判断の目安
5%以上賃貸も十分検討に値する
3〜5%立地・空室リスクを慎重に評価
3%未満売却の方が合理的なケースが多い

千葉県の場合、船橋・市川・浦安など都心通勤圏では賃貸需要が底堅い一方、外房・内房方面では空室リスクが高く、利回りが計算通りにならないことがあります。

空き家リスクを千葉のデータで確認する

賃貸の最大のリスクは「借り手がつかない期間」です。空室が3か月続くだけで年間手取りの25%が消えます。

千葉県の空き家率はエリアによって大きな差があります。BayMapの市区町村データで各エリアの空き家率を確認できます。

空き家率が10%を超えるエリアでは、賃貸市場が供給過剰の状態にある可能性が高く、賃料を下げても借り手がつきにくい場合があります。逆に、人口増加率がプラスで空き家率が低いエリアであれば、安定した賃貸収入が期待できます。

エリア別の賃貸需要を見極めるチェックポイント

  • 人口増加率: 市区町村データで確認。プラスなら賃貸需要の底支えがある
  • 最寄り駅の乗降客数: 通勤需要があるかどうかの指標
  • 近隣の賃貸物件の空室状況: SUUMOやHOME'Sで同条件の賃貸募集件数を確認
  • 大学・企業の集積: 学生や単身者の需要があるかどうか

賃貸管理の実務負担

「管理会社に任せれば手間はかからない」と考える方は多いですが、実際にはオーナーとしての判断が求められる場面が定期的に発生します。

管理委託していても、以下のような判断はオーナーに委ねられます。

  • 入退去時の原状回復判断 — 敷金でまかなえる範囲か、追加請求するか。判断を誤ると入居者とのトラブルに発展する
  • 設備故障時の修繕判断 — エアコンや給湯器の故障は築15年を超えると頻度が上がる。修理か交換かの判断と費用負担が発生する
  • 賃料改定の判断 — 周辺相場が下がった場合、賃料を据え置くか下げるか。空室リスクとのバランスを見極める必要がある
  • 契約更新・退去時の対応 — 更新条件の決定、退去後の募集条件の設定など

千葉県の場合、都内に住みながら千葉の物件を賃貸管理するケースが多く、現地確認のたびに移動の手間とコストがかかります。船橋・市川であれば都心から30分圏内ですが、木更津や茂原になると片道1時間以上かかり、急な設備トラブルへの対応は負担が大きくなります。

管理委託費は賃料の5%が相場ですが、手厚いサポート(入居者募集や24時間駆けつけ対応など)を求めると8〜10%に上がることもあります。委託費が増えれば当然、手取り利回りはさらに低下します。

税制の違いを理解する

売却と賃貸では適用される税制が大きく異なります。この差を理解していないと、手取り額の計算を誤ります。

売却時の税金

居住用マンションの売却では、譲渡所得に対して「3,000万円の特別控除」が使えます。つまり、購入時より3,000万円以上値上がりしていなければ、売却益に対する税金はゼロです。

ただし、この特別控除には重要な条件があります。

  • 住まなくなった日から3年後の12月31日までに売却すること
  • 売却年の前年・前々年にこの特例を使っていないこと

つまり、「とりあえず貸しておいて、いずれ売ろう」と考えた場合、賃貸に出してから3年超が経過すると3,000万円控除が使えなくなります。これは極めて大きな違いです。

賃貸時の税金

賃貸収入は不動産所得として確定申告が必要です。賃料から経費(管理費・修繕積立金・固定資産税・減価償却費・管理委託費など)を差し引いた金額が課税対象になります。

減価償却費を計上できるため、帳簿上は赤字になるケースもありますが、実際の手残りがあるにもかかわらず「税金上は赤字」という状態は、確定申告の手間と複雑さを伴います。

確定申告の手間とコスト

不動産所得が発生すると、サラリーマンであっても毎年の確定申告が必須になります。これは賃貸を続ける限り毎年続く義務です。

青色申告を選択すれば最大65万円の特別控除を受けられますが、そのためには複式簿記による帳簿作成が必要です。会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)を使えば作成は可能ですが、不動産特有の勘定科目 — 減価償却費、借入金利子、修繕費と資本的支出の区分など — を正確に処理するには一定の知識が求められます。

税理士に確定申告を依頼する場合、年間5〜15万円のコストがかかります。不動産所得の規模が小さい場合、税理士報酬が手取り利益を大きく圧迫する可能性があります。たとえば先述の試算例では年間手取りが約92.8万円でしたが、税理士費用10万円を差し引くと82.8万円まで下がり、実質利回りは約3.3%に低下します。

また、減価償却の計算は建物と設備で耐用年数が異なり、中古物件の場合は簡便法による見積もりが必要になるため、計算ミスが起きやすい項目です。誤った申告は後から修正申告が必要になり、追加の手間とペナルティのリスクを伴います。

「3年ルール」を見落とすケース

前述のとおり、居住用マンションの売却で3,000万円の特別控除を受けるには「住まなくなった日から3年後の12月31日まで」に売却する必要があります。この期限を見落としてしまうケースが、千葉県では特に多く見られます。

典型的なパターンは、転勤で一時的に賃貸に出し「いずれ売ろう」と考えているうちに3年が経過してしまうケースです。総武線沿線の船橋・津田沼・稲毛エリアは都心へのアクセスが良く、転勤族のファミリー層が多く住むエリアです。転勤辞令が出て一旦賃貸に出し、赴任先での生活に慣れると、売却の判断が後回しになりがちです。

3,000万円控除を失った場合の影響は大きく、たとえば購入価格2,500万円のマンションを3,500万円で売却すると、譲渡所得1,000万円に対して約200万円(長期譲渡所得の場合、所得税・住民税合わせて約20%)の税負担が発生します。控除が使えていればゼロだった税金です。

賃貸に出す判断をする際は、「最長でいつまでに売却すれば控除が使えるか」を必ずカレンダーに記録しておきましょう。賃貸管理の日常に追われて期限を忘れてしまうのが最も危険なパターンです。不動産会社や税理士にも期限を共有し、定期的にリマインドを受ける仕組みを作ることをおすすめします。

ローン残債との関係

住宅ローンが残っている場合、売却代金で残債を完済する必要があります。売却価格がローン残高を下回る「残債割れ」の状態では、差額を自己資金で補填するか、住み替えローン(残債を新しいローンに組み込む)を検討することになります。

一方、賃貸に出す場合も注意が必要です。住宅ローンは「本人が居住すること」を条件に低金利で融資されています。賃貸用に転用する場合は、金融機関に相談のうえ、賃貸用ローンへの借換が求められる場合があります。賃貸用ローンの金利は住宅ローンより高いのが一般的で、月々の返済額が増加する点を織り込んで収支計算する必要があります。

判断のフローチャート

以下の順番で確認すると、自分に合った選択が見えてきます。

ステップ1: ローン残債と売却想定額を比較 残債割れしている場合は、補填資金があるか確認。なければ賃貸で時間を稼ぐ選択もある。

ステップ2: 3,000万円控除の期限を確認 住まなくなってから3年以内であれば、売却の税制優遇が使える。期限が迫っているなら売却が有利になりやすい。

ステップ3: エリアの賃貸需要を確認 空き家率、人口動態、駅の乗降客数をチェック。賃貸需要が弱いエリアでは売却一択。

ステップ4: 実質利回りを計算 手取り利回りが3%未満なら、資金を現金化して運用した方が合理的な可能性が高い。

ステップ5: 管理の手間を受け入れられるか 賃貸は入居者対応、退去時の原状回復、設備故障への対応が発生する。管理会社に委託しても、最終的な判断はオーナーに求められる。

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千葉県で判断が分かれるケース

売却が有利になりやすいケース

  • 駅徒歩15分超のエリアで賃貸需要が弱い
  • 築25年以上で設備の更新費用がかさむ時期に入っている
  • 3,000万円控除の期限内に売却できる
  • まとまった現金が必要(住み替え資金など)
  • 物件の管理状態に不安がある

たとえば内房線沿線の木更津・君津エリアや外房方面の茂原・勝浦エリアでは空き家率が上昇傾向にあり、賃貸に出しても長期の空室リスクが高いため、売却が合理的な判断になりやすいです。BayMapの市区町村データで対象エリアの人口動態と空き家率を確認してください。

賃貸が有利になりやすいケース

  • 船橋・市川・浦安など都心通勤圏の駅近物件
  • 実質利回り5%以上が見込める
  • 将来的に自分や家族が住む可能性がある
  • ローン完済済みで、安定的な副収入を得たい
  • 人口増加エリアで空き家率が低い

総武線の船橋・津田沼周辺は駅徒歩10分以内であれば賃貸需要が安定しており、ファミリー向け70㎡クラスでも空室期間が短い傾向にあります。また、京葉線の新浦安・海浜幕張エリアも同様に賃貸需要が堅調です。駅一覧で最寄り駅の取引データを確認し、賃貸相場との比較に活用してください。

まず確認すべきこと

売るか貸すかの判断は、自分の物件が今いくらで売れるかを知ることから始まります。感覚ではなく、データに基づいた比較が重要です。

BayMapの駅データで最寄り駅の相場水準と取引件数を確認し、売却した場合の手取り額を概算してください。あわせて市区町村データで人口動態や空き家率もチェックし、賃貸需要の裏付けを取りましょう。そのうえで賃貸の収支と比較すると、データに基づいた判断ができるようになります。

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